2023.02.07
不動産トピックス

ディンプルキー導入で防犯性向上!メリットと費用を紹介

ディンプルキーは、従来のシリンダーキーよりも複雑な構造で作られており、防犯性が高い鍵として知られています。ディンプルキーを導入すると、空き巣被害などの抑制効果を期待できるといったメリットがあります。本記事では、賃貸物件のオーナーに向けてディンプルキーを導入することで得られる効果や費用などを解説します。

【著者】矢口 美加子

 

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ディンプルキーとは?

ディンプルキーとは、表面に複数のくぼみがある鍵のことです。一般的な鍵の側面はギザギザとした山になっているのが特徴ですが、ディンプルキーは表面に丸いエクボのような凹凸が付けられています。

一般的な鍵は上からのピンしかついていないため、ピッキングしやすいのがデメリットです。しかし、ディンプルキーは上下左右、斜めにピンがついているため、それぞれのピンの高さが一致しないと開かない仕組みになっています。ディンプルキーの鍵のパターンは理論上では数十億から数千億通りにもなると考えられており、ピッキングはほぼ不可であるとされていることから、その防犯性の高さに期待が集まっています。

なお、賃貸物件で鍵交換を行う場合、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、入居者の入れ替わりによる鍵交換は物件管理上の問題であるために「賃貸人の負担」とすることが妥当であると示されています。

とはいえ、ガイドラインの内容に法的な拘束力はなく、賃貸借契約書でも借主の負担とされているケースは多く存在します。賃貸借契約書は貸主に有利な内容で記載されていることが多いため、現実的には「借主が負担する」と特約で決められているのが一般的となっています。

参考:国土交通省 – 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン

ディンプルキーを導入するメリット

本章では、ディンプルキーを導入するメリットについて紹介します。

防犯性が高い

ディンプルキーを利用する最大のメリットは、防犯性が高いことです。通常の鍵よりも鍵穴の内部が複雑なため、ピッキングをしようとしても時間がかかり、解錠することができません。プロの鍵師でも、ディンプルキーだと解錠するのに10分はかかるという話もあります。

警察庁のデータでは、侵入に5分かかると侵入者の約7割は諦め、10分以上かかると侵入者のほとんどは諦めるとされることから、いかに侵入に時間をかけさせるかが空き巣被害の抑制につながると考えられます。ディンプルキーは現在市場に出ている鍵の中でもっとも防犯性が高いため、女性や高齢者の一人暮らしでも安心して生活できるようになるといえます。

鍵違い数が多ければ多いほど複雑な鍵であり、ピッキングに時間がかかるため、さらに高度な防犯性を求める場合は鍵違い数の多いディンプルキーを選ぶようにしましょう。

参考:警察庁 – 住まいる防犯110番

複製しにくい

ディンプルキーの形状はかなり複雑なため、複製しにくいのもメリットです。合鍵を作るには高度な技術が必要であり、第三者が不正に複製することは極めて難しいと考えられています。なお、登録制のディンプルキーの場合は、メーカーに合鍵を発注しなければ合鍵を作ることができません。

ただし、一般的な鍵と違って簡単に複製できないことはメリットでもあればデメリットでもあります。なぜならば、紛失すると合鍵を作るのに時間がかかってしまうからです。メーカーに純正キーの合鍵作成を依頼すると3~4週間程度かかることもあるため、管理にはくれぐれも注意する必要があります。

形のバリエーションが多い

ディンプルキーは、くぼみの形状を変えるだけで全く別の鍵になります。そのため、形のバリエーションが多いというメリットもあります。別のタイプやシリンダーを組み合わせることで1,000億通りにも及ぶパターンがあると考えられており、セキュリティ面で満足度が高いことから、賃貸物件では多く利用されています。

登録制のため番号を提示しないと合鍵を作ることができないディンプルキーもあり、高い防犯性を期待できます。

ディンプルキーを導入する費用

一般的なディスクシリンダーキーからディンプルキーへ変更する場合、費用は各会社により違いがあります。材料費として3千円~2万円、作業費として4千円~1万5千円程度が一般的で、合計7千円~3万5千円が相場となります。状況により作業代や材料費が違うため、鍵交換の費用には大きく幅があります。たとえば以下の内容でも異なります。

・錠前を丸ごと交換、もしくはシリンダーのみの交換
・同じ種類への鍵交換、もしくは違う種類への鍵交換
・開き戸、もしくは引き戸

同じディンプルキーでも、より複雑な構造を持つディンプルキーを選んだり、工事内容に手間がかかったりする場合は交換費用も高くなります。

ディンプルキーを導入するタイミングについて

現在、物件で導入されている鍵がディスクシリンダーキーで、ディンプルキーへと変更したい場合は、入居者の退去のタイミングで行うことが一般的です。ディンプルキーの交換は15分程度で作業が完了することもありますが、オートロックと連動している特殊な鍵の場合はシリンダーの取り寄せなどで数週間かかる可能性があるからです。

そのほかのタイミングとしては、以下の場合も挙げられます。

・鍵を紛失したタイミングで
・防犯性を高めたいタイミングで
・鍵やシリンダーの劣化、異常があるタイミングで
・第三者の手に鍵の情報や鍵自体が渡ってしまったタイミングで

入居者が鍵を失くしてしまった場合も、通常のシリンダーキーからディンプルキーに交換するタイミングのひとつです。また、近隣で空き巣被害などの犯罪が多発している時も、ディンプルキーに交換するタイミングといえます。

加えて、経年劣化や異常により鍵やシリンダーを交換するときも良いタイミングです。また、第三者に鍵自体が渡ってしまった場合なども、不正に合鍵を作られるリスクが発生するため、防犯性の高いディンプルキーに交換するタイミングと考えられます。ディンプルキーは紛失すると合鍵を作製するのに時間がかかるので、紛失には十分注意することを入居者に伝えておきましょう。

ディンプルキーに交換すると防犯性の高さをアピールできるため、空室対策につながることが期待できます。空室問題で悩んでいるオーナーは、ぜひ積極的にディンプルキーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

◆そのほかの空室対策のアイデアについて知りたい人は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
賃貸経営の空室対策アイデア22選!空室の原因8つも検証

ディンプルキーを導入して防犯性を高めよう

ディンプルキーは複製が難しくピッキングに時間がかかるため、物件の防犯性を高めるのに有効です。入居者が安心して住み続けられる物件にすることは、賃貸物件の価値を高めることにつながり、空室対策にも効果的だといえるでしょう。賃貸物件のオーナーはぜひ検討してみてください。

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