【厳選】オーナーズ倶楽部編集部 おすすめ書籍を紹介
不動産オーナー、そして将来オーナーになる方にとって、日々の賃貸経営について、そして次の不動産投資については、いつも情報を求め、学びを深めていることでしょう。そこで、オーナーズ編集部では、多くの書籍の中から、良質な1冊を厳選し、その抜粋を紹介してまいります。
著者 大家さんYuTa
私の投資エリアの選び方は、自分が知っているところかどうか。
地の利のあるところかどうか、です。
具体的には、私は、埼玉県内となります。
私は埼玉県出身で埼玉県在住です。そのため、県内のターミナル駅は分かりますし、その近隣エリアもイメージが付きます。
どこのエリアは生活に便利か、人気があるか、イメージができます。
電車の乗降客数を調べ駅力の確認もします。しかし、車社会で、幹線道路に近いところや高速道路に乗りやすいエリアで、駅距離に関係なく賃貸需要のあるところもあります。
自分が知っているエリアであれば、そんな情報も把握できています。
工場が集まっていて、仕事に来る人が多いエリア、そこへ通うのに便利なエリア、
スーパーや商業施設が連なっている国道がどの辺りか、そんなエリアも把握できています。
こういったエリアを選ぶことは、戸建て投資を成立させる要因の1つだと感じます。
それと、知っているエリアであることが、購入の第一歩に踏み切る後押しにもなります。
私にとって、学区や治安について知っている、新しくできた施設とその施設の週末の集客具合について知っている等、地元民として耳にしたことがあるエリアで、その情報から借り手のイメージが できたことが、購入に進むことができた要因の1つでもありました。
都内の方が全く知らない地方のアパートや1棟マンションを購入し、運営に行き詰まったという話はよく聞きます。
自分が住んでいて、もしくは住んだことがあり、地の利のあるところ、皆さんにもそんなエリアがあると思います。
大学時代に住んでいた、単身赴任の間に住んでいた、そんなエリアであれば、週末の買い物はどこそこに行っていた、あそこは行くたびに混んでいた、あっちは山で人はほとんど住んでいない、そういったことの分かるエリアがあると思います。
そしてそのようなエリアの近隣であれば、知っているエリアから続く幹線道路から行くなりして、当時は行ったことがなくても、繋げて把握することができます。
地の利のあるエリアを選ぶことが、基本と考えます。
具体的にどんな物件を購入すべきか。
まず、戸建て投資といえども、実施するための物件は様々です。
築年数も相当に経過したいわゆるボロ戸建てをDIYで復元し、高利回りで行う方法。
はたまた新築を建てて、利回りは控えめでも長期間の安定経営を狙う方法。
色々とありますが、私が実施しているのは、その間といったところです。
築年数が相当経過したボロ戸建てで高利回りを狙う場合、高利回りを狙うため、物件については相当なボロボロの低価格重視の物件を購入し、DIYにてリフォームコストを削減し、高利回りにもっていき、使用したお金を早く回収しようとします。
この方法自体、私も良いと思います。
しかし、会社員をしながらのこの方法は、私はできませんでした。
まず、利回りに見合う相当な低価格物件は、相当な奥地に行かないと見つからなかったこと、そしてその奥地は地の利もなく、大家さん経験のない私は賃貸需要に不安を感じ、賃貸付けできる気がしませんでした。
それとDIY。大工さん的技能もなく、どこかに通って習得する体力・気力・時間もない自分が、家1軒のリフォームを施す自信が持てませんでした。
利回り等の採算が合っても、賃貸付けできなければ、賃料が入ってこなければ、絵に描いた餅です。
会社勤めの私は、あらゆる点で、現実的に考えられませんでした。
つぎに新築戸建てを建てるケース。土地を所有していない私は土地から探す必要があります。
建物代と想定賃料から土地はいくら以下で購入する必要があると計算し、土地を探しました。
やはり奥地の土地であれば試算上は合うかたちに。
しかし、そこまで奥地に行って新築を借りるより、中古でももっと中心部に近い利便性の高い物件を選ぶであろうと、賃貸付けできるイメージが湧きませんでした。
そうして、会社員の傍らでも運営が比較的容易で、キャッシュフローも出るラインはどこだろうと模索しました。
会社員ですので、築年が古すぎてしょっちゅう修繕依頼の連絡が来られてはかないません。 かといって新築を建てるのは現実味がありません。
住んでほしい入居者のイメージはファミリー。あまりに古い戸建ではファミリーは寄り付かないのでは。広さもそれなりに必要。
利回り10%とよく耳にするけど、資金の回収は10年より短くしたい。
理想は、極力、人の集まるエリアに近く、築年数が浅くて、ファミリータイプとして十分な広さの取れる物件です。
でもそんな理想の物件はありません。あっても私の知らないところで取引されているでしょう。
築年数が新しいと物件価格はあがります。広さも広ければ物件価格はあがります。
物件価格があがると利回りは落ちます。すなわち資金回収期間が長くなります。
どこか良ければ、その分どこかにしわ寄せがきます。
安い物件には安いなりの理由があります。
私は会社員。不動産投資による資産形成をしたいが、両立することが優先。
会社員としてそれまでの生活をしながら、プラス不動産投資をする、というかたちをとりたい。
不動産投資にかかりっきりにはなれない。
であれば、利回りの追及をしつつも、ある程度の物件を購入することが大事。
そんな思案を繰り広げ、私なりの物件基準を作りました。
築年:1985年以降の物件(私より若い物件、新耐震基準の物件)
利回り:実質利回り12%以上
広さや駅距離は、想定賃料や購入価格、利回りによって流動
理想は、広さ80m²以上、間取り4LDK以上、駅徒歩20分以内、都内に1時間ほどで行ける距離
実質利回り12%以上としたのは、リフォーム費用や諸経費までを考慮して 年未満で資金回収 をすると考えてのことです。
利回りには、表面利回りと実質利回りがあります。表面利回りの計算は、年間賃料÷物件価格です。表面利回りには、購入にかかわる諸経費やリフォーム費用が加味されていません。そのため、表面 利回りで物件の利回りを判断し購入するのは早計です。
特にリフォーム費用の増減により大きく変化してしまいます。リフォーム費用や諸経費を入れて試算する必要があります。
例:月額賃料7万円(年間賃料84万円)、物件価格700万円
84万円÷700万円=表面利回り12%
実質利回りの計算方法は、年間賃料÷(物 件価格 購入諸経費 リフォーム費用 火災保 険料 固定資産税等 その他経費)です。
例;月額賃料7万円(年間賃料84万円)、物件価格700万円、購入諸経費60万円、リフォーム費用100万円、その他20万円
84万円÷(700万円 60万円 100万 円 20万円)=9.54%
※購入諸経費は、仲介手数料+司法書士費用の概算
このように、表面利回りと実質利回りでは差があります。
リフォーム費用等の物件価格以外の費用が増減することにより、実質利回りは変動します。よく「実質利回りで購入判断をする」と言われるのは、このような違いがあるからです。
ネット等での物件検索時は、表面利回りをみて目星を付けるのは良いと思います。
しかし、購入判断は、実質利回りを試算し検討する必要があります。
築年数については、先述の通り、古すぎることによるリスクを取ることはできないと考えてのことです。
また、1981年6月以降の物件は新耐震基準とされており、1985年以降の建物であれば、ゆうに新耐震基準での建築確認を取得していると考えたこともあります。
それと、これまでの多くの物件を内見してみて、この築年数より古くなると、ドアサイズや天井高、バランス釜等の仕様からも、より古いお家感が強まると感じたこともあります。
平成初期まで、こう感じるお家が多い反面、バブルに伴い建設された贅沢仕様のお家もまれにみかけました。これらの理由より築年数の基準はこのように設定しています。
広さ等は想定賃料やリフォーム費用等のトータル的判断ではありますが、理想とした80m²以上、4LDK以上の理由は、アパートやマンションのファミリータイプの物件を検索したところ、私の投資エリアの共同住宅のファミリータイプは、70~75m²、3LDKが中心であったため、それより広いと戸建らしい広さを感じるであろうと考えてのことです。
また、駅徒歩20分以内については、駅から歩いても行けないことはない距離であり、自転車を利用すれば駅まで容易な距離と考えてのことです。
基本的に都内通勤者の多い投資エリアのため、駅徒歩20分以内に利便施設が密集していることが多いこともあります。
また、詳細は後述しますが、この駅距離だと市街化区域内であることが多いこともあり、目安に設けています。
幹線道路沿いや高速道路の乗り口に近いエリアでも利便施設が密集していることもあります。
車通勤の方が集まっているエリアで、こちらも都内通勤の方が多いです。
この場合注意しているのは、市街化調整区域に存しているケースが多くなることです。
市街化調整区域は、市街化することを抑制している区域になります。
そのため、建物を建てることに制限を設けている等、種々の制限があり、容易に建て替えができない傾向にあります。金融機関視点での物件の担保評価にも影響します。
そのため、電車や高速道路を利用して、都内に行きやすい物件を理想としていますか?、法令からみてと?のようなエリアに存する物件かも注意しています。
金融機関から融資を受けて所有物件の規模を拡大していくことを考えて、
市街化調整区域の物件や再建築不可の物件、容積率や建ぺい率を超過している物件は避けています。
これらの物件は、金融機関が良い顔をしません。
市街化調整区域や再建築不可の物件は、金融機関が土地の担保評価を算出しづらいということがあげられます。
市街化調整区域は、市街化を抑制している区域。金融機関が土地の担保評価を算出する際に用いる相続税路線価は、倍率地域となります。
通常は対象物件の前面道路の路線価が算定されており、算出が容易ですが、市街化調整区域はそうはいきません。
また、再建築不可の物件は、再建築不可の理由も様々ありますが、接道に難があるケースが多いです。
接道に難がある場合、その物件の所有者の一存では是正できるケースが少なく、近隣の土地所有者の意向も必要になり、そうなると、事実上、是正できません。
金融機関からすると、万が一、物件を換金する事態を想定した場合、広く買い手を求められない土地の担保をみることができない。そう判断する傾向にあります。
これら物件を所有し、賃貸して賃料を得ることは可能ですので、一概にマイナスではありません。
しかし、金融機関評価のプラス評価を得ることや、担保に差し入れることは難しい傾向にあります。
そのため、こういった物件の購入は避けています。
つぎに、容積率や建ぺい率を超過している物件。いわゆる違反建築物件の購入も避けています。金融機関が、コンプライアンスの兼ね合いで、違反建築物件への融資は不可、もしくは抵抗を示します。
法令違反しているものを助長することはできない、という理屈です。
今後も拡大していくためには正攻法。長続きするのは正攻法で進めることと考えて、こういった物件の購入も避けています。
このような理想条件の物件を探していくと、なかなか見つかりません。
ですが、熱心に検索し、工夫して検索すると、ないこともありません。
理想を掲げすぎて購入できないのも絵に描いた餅ですが、この条件であればまれに出てくるので、購入基準としています。
現に私が所有している物件はこれらの基準に該当しています。
不動産は千三つとよく言われます。そうそう優良物件があるものではありません。
しかし高い理想を掲げすぎても、そんな物件もありません。
そういったことを熟慮し、バランスを考えて、会社員をしながら賃貸運営しやすく、かつ、収益も 得ることのできる物件を選定するため、このような基準を設けました。
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<著者プロフィール>
大家さんYuTa
1985年、埼玉県出身。25歳のときに自宅マンションを購入。自宅マンション購入後、将来について思案している中で、ロバート・キヨサキ著「金持ち父さん・貧乏父さん」に出会い、 負債を買ってしまったのかと落胆。しかし落胆していても仕方ないと奮起。自分もポケットにお金を運んでくる資産を構築することを決意。節約生活をしながら、4年かけて初めての賃貸物件を購入。安定的で手間のかからない戸建て投資が会社員と並行して運営するのにピッタリなこと、これから不動産投資で資産を構築したい方に向けて、より近い状況の自分の内容は、現実的に参考になるのではと執筆に至る。ブログ「戸建て投資体験記~サラリーマン大家YuTa~」でも情報発信し活躍中。
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