2020.10.18
不動産投資

コロナで路線価の改定はある?不動産投資家が注意すべき2つのポイント

(画像=beeboys/stock.adobe.com)
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新型コロナウイルス感染症の影響で下がると期待された2020年の路線価は、7年連続の上昇、前年比だと全国平均で1.6%の伸びとなりました。予想を裏切った今年の路線価、もしかしたら10月以降に改定されるかもしれません。

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コロナ禍にも関わらず2020年は路線価が上昇

今年2月以降、日本でも新型コロナウイルス感染症の問題が深刻化しました。感染リスク対策として緊急事態宣言が発出され、多くのテナントが営業時間の短縮や休業を余儀なくされました。

「コロナでこれだけ経済が低迷したのだから7月に発表される路線価も低くなるだろう」と見られていましたが、蓋を開けてみると7年連続の上昇、全国平均で前年より1.6%高い路線価となりました。東京・福岡・宮城といった観光地の路線価は前年比で3%から5%上昇、特に沖縄は前年比10.5%の伸びとなりました。

路線価とは

路線価とは、道路に面する標準的な土地の1㎡あたりの価格を言います。相続や遺贈、贈与でもらった土地が市街化区域など路線価の設定されているエリアにあるときに路線価を用います。つまり、「路線価×補正率×地積」で評価するのです。

本来、土地を含めすべての財産は相続時あるいは贈与時の時価で評価すべきとされています。ただ、土地は上場株式と違い、頻繁に取引されているわけではないので取引価格がまちまちです。このような状況下、それぞれが自分の基準で勝手に評価をしてしまうと、同じような土地なのにかかる税金が変わってしまい、不公平になってしまいます。

このような状況を防ぐため、地価公示価格や売買実例価格、有識者からの意見や評価額を参考にしたうえで、国が毎年1月1日時点の評価額を路線価として決定しているのです。

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なぜ2020年、路線価は下がらなかったのか

では2020年、コロナ禍で経済が冷え込んだにも関わらず、なぜ路線価は下がらなかったのでしょうか。ヒントは路線価評価の時点にあります。

路線価が発表されるのは毎年7月1日ですが、評価の時点は1月1日です。そして新型コロナウイルス感染症の問題が社会不安として取りざたされるようになったのは2月以降でした。つまり、2020年のほとんどの期間はコロナ禍の影響を受けた一方、路線価の評価基準となる1月1日時点ではインバウンド消費の活況と東京オリンピックの開催で不動産取引も活発になると見られていたのです。期間のズレが国民にとって違和感のある路線価の原因になりました。

秋以降、路線価が改定される可能性を国税庁が示唆

路線価が7年連続で上昇となった一方、国税庁はある可能性を示唆しました。「新型コロナウイルス感染症の影響で地価が大幅に下落して路線価を下回ったならば、影響を受けた地域を特定した上で補正率の導入を検討する」と言ったのです。平たく言えば、「相続税評価額を改定する」ということです。

ただし、新型コロナウイルス感染症は地震や台風などと違い、その影響の度合いを客観的に計測するのが難しいものです。そこで国税庁は独自に土地の調査を外部の業者に依頼するほか、国土交通省が四半期ごとに発表している「地下LOOKレポート」の動向を見て判断するとしています。具体的には、判断基準となる地価の下落割合が20%以上になったら補正率の設定が検討されると言われています。

なお、今年8月下旬、国土交通省は2020年4月から7月までの地価動向をまとめた「地価LOOKレポート」を発表しました。これによれば、補正率設定の目安となる20%以上の下落を示したところはなかったようです。この結果から、今年1月から6月までの期間について補正率が設定される可能性は低いと言えるでしょう。ただし今後もしオフィスやマンション需要が下がったら、大幅な地価下落が生じ、補正率が設定されることもあり得ます。

路線価の改定を不動産投資に活用するための2つのポイント

もし路線価の改定が行われたら、不動産投資にどう活かしたらよいのでしょうか。押さえておきたいのは次の2つです。

すでに納めた相続税が還付される可能性

今年の前半に相続が発生した世帯の中には、早々に相続税の申告を済ませたところもあるでしょう。もし路線価の改定、つまりコロナ禍に伴う補正率の発表が行われたのならば、更正の請求という「払い過ぎた税金を取り戻す手続き」を行えば、一旦申告・納付した相続税の一部が還付されます。

生前贈与のチャンス到来か

コロナ禍による補正率が発表されたなら、生前贈与を検討するとよいでしょう。贈与税も相続税と同じく、財産の評価額が課税の基準になります。そして評価の時点は贈与時です。補正率で評価額が下がるということは、納めるべき贈与税が少なくなるということです。

加えて、早期に賃貸物件を子や孫に贈与すれば、将来家賃収入で得られる現金も同時に移転することになります。つまり、路線価が低いときの生前贈与は贈与税で得するだけでなく、相続税対策にもなるのです。

ただ、生前贈与については「不動産取得税がかかる」「小規模宅地等の特例が使えなくなる」「ローンごと移転するのは難しい」といった難点があります。全体のバランスを見た上で実行するかどうかを決定しましょう。
    
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